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[TODO stack]

80 輪読会準備(進化本)
70 モデル構造(拡散の仮定等)の再設計

  1. 時間スケールの縮小
  2. 空間スケールの再設計
  3. 藻類の吸収の見直し
  4. ミジンコの排出の見直し
  5. ミジンコ移動あれこれ
50 イントロダクションをかき始める

Benard流を組み込んだモデルの設計と評価
− 地形の複雑性についての検討
− NISサーバの構築


10月31日(Fri)

 目が覚めたら正午(またか…)。
改装工事のためアパート全体に覆いが掛かって、明るくなっても部屋が薄暗いのが原因である。普段からカーテンを開けて寝ているせいで日が眩しければ起きるのだ。決して5時までゲームをしていたからとかそういう理由ではない。

 午後、雑用。夕刻バイト。
さておいて、溜まりに溜まっている雑用を纏めて片付ける。バイトの時間を利用して輪読会(占)のほうも一通り片付ける。残りはモデルと進化本。あ、NISもか。

 NIS
ちゅうか、ですね。本家マニュアルの各種サーバ見ればすぐじゃないかと。いやはや。あと、/sbin/serviceなんていう便利なスクリプトがあるのね。今までずっと/etc/init.d/から呼んでたのに。


10月30日(Thu)

 午前中、お仕事。午後、輪読会。
日常事もなし。…て、輪読会は再来週には担当が回ってきそうなペースではないか。準備を始めないといかん。来週からは占部研輪読会のほうも再開するし暇にならないな。

 終日NIS-HowTo何ぞ読みつつ情報収集。
…なんだけども、もしかして割と楽に導入できるのかな。yp*のインストールは問題なくできたんで、ypservの設定とクライアントの設定すればいけるんじゃなかろうか。
どうでもいいが、新しいスキルの修得は楽しいですな。こういう仕事に限って進捗が早い(が、評価はされない)のが駄目の駄目たる所以な訳で、完全にいやな法則の中で踊っている。

 ぬ、もう2.6r3のリリース、されてる?
急いで入れたりとかはないけど、CD作り直しとかないといかんな。

 モデル改造案
さて、忙しいだの何だの云いつつもいい加減考えを纏めて作業に移らないと停まったままなので、具体的な内容はおいおい埋めるとしてまずは優先順位をつけてみよう。

  1. 時間スケールの縮小
  2. 空間スケールの再設計
  3. 藻類の吸収の見直し
  4. ミジンコの排出の見直し
  5. ミジンコ移動あれこれ

enqueue TODO stack:
+ 輪読会準備(進化本)
+ 輪読会準備(占部研)


10月29日(Wed)

 午前中、セミナー。少々遅刻。

 午後、占部さんに個体群の報告、数理セミナー。
戻ってからLANケーブルを作り足しとHUBへの計算機接続、新しいプリンタの設定やら何やらと私用と雑用に明け暮れて本日は終了。LANケーブルは人海戦術で大量生産できた。手伝ってくれた皆様有難うでした、と。

 うはは、いつにも増して辛口ですなあ。


10月28日(Tue)

 起きたら午後だった。自覚以上に疲労はしていたらしい。

 午後、読書の後シンポジウムのレポートを纏めたり。

 夕刻、放置してあった計算機にVineをいれてからHUBに空きがないことに気づく。すでに生協も閉まっている時刻なのでとりあえず短いLANケーブルを数本ばかし作って配線類の整理とかこちらも途中でコネクタがなくなって中断。

 インストールしたVine2.6が起動時に停まる。
Vine Linux 2.6/2.6CR Tipsの先頭にある情報であっさりと解決。次の停電時にでも他のマシンも修正しておくことにしよう。のこりはNISだな。


10月24日(Fri)〜27日(Mon)

 第21回個体群生態学会シンポジウム(つくば)に参加。自分のポスター発表(当日使ったポスターPDF版)と講演を聴講。自分の英語能力(ヒヤリングもコミュニケイションもともに)に大きな課題を残す結果となった。当初の予定通り愛機SVにて一般道を使って仙台→つくば→宇都宮→仙台。往路に道を間違えたのと、想像していたより遥かに上回る時間が掛かったのを除けば概ね順調な行程だった。往路約340Km/8時間、復路つくば−宇都宮50Km/1時間+宇都宮−仙台200Km位?/6.5時間。

 10月24日(Fri)
 朝08:00仙台を発、途中R6に乗り損ねてR4で。白河からR294で下館経由、何度か道を間違えつつ午後16:30筑波山に着。
受付を済ませてすぐにポスターセッション。夕刻のほうのセッションでは二人ほど聴いてくれたが特に質問もコメントもなく、残念。

 夕食後ポスターセッション夜の部。
質問はある程度予想していた内容を超えたものは出てこなかったが、それに基づいた議論は非常に有意義だった。メモしてある順に議論(Q-A)とコメント(C)を箇条書きしておく。

 他の人のポスターのうち、特に面白かったのが吉村さん(静岡)のところの学生さんと浅見さん(信州)による、マイマイの左右対称性の進化についてのIBM。デザインは小集団に反対巻きの個体が一個体侵入してきたときそれが広がれるかどうかのシミュレーション。最終的に実際の系統樹と対応できるだけの結果セットが得られると美しいかなと思いつつ聴いていたら、果たしてそれをゴールとして設定された研究であった。明確に目標設定のなされたモデルは理解しやすく流れにも無理がない。良いモデルだと思う。

 10月25日(Sat)
 午前・午後とシンポジウム。英語によるセッションだったが、隣に日本語で解説のスライドを同時上映してくれるのは正直ありがたかった。
特に面白かったと思ったセッションをいくつか。

 2-2の青木さん(東京)によるインセスト・タブーの話。
ウェスターマークの仮説(幼馴染は年の近い兄妹とみなされる)とそれに対するフレーザの批判(法は本能が望むものを禁じ、それゆえタブーとは人の本能的な願望である)については聞きかじり程度だったのだが、インセストタブー(兄妹性交のことなのだが)に限らず罰による社会的抑止力が働きうるタブー全般について扱える非常に定性的なモデルによる研究の紹介。しかし懐の広めな学会である。すばらしい。
抑止のためのコストを普及率が上回るとタブーはタブーでなくなるというのを非常に簡潔に示していたのは面白い。さらにアンケート結果で700人強のうち既遂未遂あわせて4%もあるという調査結果には心底驚いた。どうなっているんだケベックの学生。

 2-3の池上さん(東京)による生物のネットワークダイナミクスについての話。
多種系における生物ネットワークではキーストン種として機能する種が現れるが、それらは系で優勢な種やほとんど見られない種ではなく中立なものが当てはまることが多く、そうした種がいなくなるときに除かれる組み合わせによってその後のアトラクタの遷移はさまざまに異なるという話。
与えられる示唆としては保全的な方向に向けられるだけでなく、もっともっと進めてビルの弱いところなどいわゆる[系の急所(秘孔)]についてのモデルといえる。なかなか興味深いモデルだった。

 夕食後、機会を得て仲岡さん(千葉)にポスターの内容を聞いていただく。

 その後部屋に戻って同室の仲道さん(筑波)にも話を聴いて頂く。

 10月26日(Sun)
 午前中シンポジウム。

 3-2の佐々木さん(玉川)によるセッション。
マルハナバチは強光下では日周性がマスクされ、高緯度の種ほどその閾値が下がるという話。白夜の際には不眠不休で働くように適応が進んでいるということらしい。全く知らない話だったので非常に興味深い内容だった。

 午後から宇都宮へ。午後過ぎに旧い知人たちと合流して夕食まで。朝方まで対戦などしつつ宇都宮で一泊お世話になる。

 10月27日(Mon)
 宇都宮10:00発、R4を北上して仙台16:30着。


10月23日(Thu)

 午前中、お仕事。午後輪読会。
進化本(Futuyma)、3章担当はツダ君。準備が間に合わず30分遅れ。

 夕刻、明日よりの個体群シンポの準備
ポスター(PowerPoint製)を印刷したり、地図を見たり。荷造りのため早めに帰宅。


10月22日(Wed)

 午前中、セミナー。
サイトウ君の論文紹介、何でもかんでも要素を詰め込むべきだという主張に聞こえるモデルアイデアの紹介。それってどうなのよと思っていたら案の定そこで突込みが入っていた。大体において保全を目的にモデルを作るという前振りの癖にそんな悠長なことをしていて良いのかとも思う。「箱庭を作るのだ」と正面きって主張したら(普通は)叩かれるに決まってるのでそういう逃げ方をしたのだろうかと勘繰りたくなる。元の論文がホントにそういう趣旨のものかは知らぬ。
 続いてミカミ氏の研究紹介。以前から延々と話を聴かされていたので今更突込み様がない。とか思いながら聞いてて細かいところにチョコチョコとした突込みしか入れなかったのだが、終了後に得るものがなかったとか嘆かれる。役立たずでスイマセン。夕刻占部さんに話を聞いて貰って帰ってきたミカミ氏の曰く、「過去これほど充実した議論をしたことがあったろうか」。議論相手として僕が役者不足なのは否定できぬけれども(以下略)

 午後、ポスターの手直しとモデルのアイデアについてあれこれ考える。
ぱっと思いついたところでは、

とはいえ2,3番目は前回の議論で出たものだから、完全には僕のオリジナルというわけではないが。さて、これから実際にモデルでこれをどう記述し表現するかは個体群に行ってる間に考える、と。
10月21日(Tue)

 ポスターの細かい手直しとか。

 午後過ぎバイト。
本来金曜日なのだが個体群があるので熊木君にお願いして今週だけシフト交換してもらう。


10月20日(Mon)

 日出前起床。
読書してたら実家より悪い知らせで心底滅入る。早めに研究室に行ってから片平に行ったり個体群学会費の振込みしたり。二年次からの奨学金は募集してないので基本的に期待するなとのこと。
文献とか読んで午後すぎまで過ごす。

 午後より占部さんによるセミナー。
エネルギーと体サイズでもって生態学的ないろんなレベル(個体・局所・群集レベルのそれぞれ)はあらかた説明できるというBrown達の主張の紹介。帰結としては巨視的なものと微視的なもののどちらが重要ということではなくて両方大事というところに収まる話なのだろうが、そこから僕らはどうして行くのか、とか、役に立つ研究って何さ?というよう議論が白熱した。
 詰る所自分が拠って立つスタンスを認識しながら研究しましょうということでいいんだろうか。

 夕刻よりシンポジウム前の最終戦
発表構成自体への突っ込みは激減したが、それでも何点か駄目出し。現実の値を考えるとこのモデルの仮定だけでは話が成立しないところを言及していないと指摘される。つまり何が問題化というのを簡潔にいうと、

まあこれらについては時間スケールや空間スケールの見直しが必須です、と。 定量的なアプローチを目指すべきモデルなら、定性的な結論が現実にどれだけマッチするかをきちんと釈明せよということだろう。で、またまた手直し。

 カワタ先生は明日よりアメリカへ。

 JFのトップページにNIS HOWTOの更新情報が。
なんともタイムリーな。これはつくばから帰ってきたらまずは計算機どもをNISで纏めなさいという託宣に違いない。

 修理(というか初期不良)の計算機、帰ってくる。
実は面倒なだけというのはさて置いて、インストール作業はこれまたつくばから帰ってきた後で。


10月19日(Sun)

 ポスター原稿更に手直し
更に2枚追加で3x5枚に。やはり突き詰めると「知らない人にその場でわかってもらう」ことと「常に流れを意識せよ」。

 夕飯に金華沖サバのしめ鯖。いわく、関サバを超えるとのことらしい。比較できるほどに舌は肥えていないが兎に角旨かった。差し入れてくれたササキ君とその御父君に感謝。


10月18日(Sat)

 ポスター原稿の大改修。
完成した時点でマツシマ・ミカミ・ヨコヤマさんに見てもらいその都度修正。感謝。大分分かり易くなったのではないか。…と思う。
懸案の拡散係数の現実性については現状ではFickの第二拡散のみを考えていて試算するとまあ収まる範囲にはなってるんだけど、という感じ。つまり生態学的な意味での現実的な水の動きはまるきり無視というわけで。頭の痛い問題ではあるが、時間スケールと空間スケールを改良していく方向性を示せればよいだろう。

 昨晩に引き続いて松島調査隊の収穫物で晩飯。
マツオウジとやらいう馬鹿でかい茸。やや苦い。昨日はバター炒めとチャンブル。本日はクリームシチュー。普通に旨かった。カワタ先生はご自宅で茸鍋との由。


10月17日(Fri)

 占部さんとカワタ先生に作成したポスターを元に構成とプレゼンテーションについて見てもらう。
結果は散々で、反省点しか残らないというお粗末なものに。

 プレゼンテーションについて。
相手に理解してもらおうという誠意に欠ける。意図的に面白味を隠そうとしているのかというほど酷い。なぜ重要か、何が面白いのかという部分を強調できるような筋道の通った構成にせねばならない。全体の流れを意識せよ。細部のみを強調し、全体の見通しが利かないプレゼンテーションはまったく伝わらない。

 質疑応答について。
受け答えに詰まるのは最悪である(質問した側も困る)。まずはリアクションをせよ(「よい質問です」など)。自分の研究の弱い部分は自分でよく把握しているはずなのだから、避けるのでなく前もってその回答を用意しておくことを心がけよ。そのためには十全たる事前準備が必要である。

 以上の反省点を胸に刻んで月曜日に再戦。


10月16日(Thu)

 ポスターの作成中。
レポート書きと並行してポスターの作成。発表まであと一週間。


10月14日(Tue)

 計算中。
多種共存として5〜3/25ってのは、いまいち種数が少ないとかいうようなことを感じる。

 計算機追加
三台ほど注文して、うち一台が初期不良。なんだかね。明日の朝一で再送。
この忙しい最中に梱包解いてインストール作業。計算機の台数は増えるから忙しくても優先度の高い作業ではあるんだが、本気でバックアップ要員を育てないと自分の首を絞めるばかりだ。

 発表用ポスター作成
明日中に結果の部分までまとめて、一通り完成させて占部さんのところへ。


10月13日(Mon)

 計算中。
全体の傾向はすぐに出て来つつあって、拡散性が上がって系が均一になって行くと共存できる種数が下がるという傾向は出ている。
ただし、安定に(というか周期的な)多種共存はかなりあやしー。というのも計算日数がこれまでやっていた8000days→900daysに減らしているせいで、計算日数を長期間に設定するとガクンと種数が下がったりする。
言い訳としては季節的な変動(春秋の垂直大混合とか)をこのモデルではまるっきり考慮していないので、実のところ長期間のlife timeをこのモデルで語るのはあまり意味がない、とか。


10月12日(Sun)

 まずまず(?)の結果は出ている。
Qmin-Qmax間のみのtrade-offのほうがクリアな結果が出るのだが、仮定が現実的でない以上採用するわけにも行くまい。

 新trade-off案がいちおう纏まったので整理。

strage capacity(S)とVmaxについての仮定

  1. まず、藻類の資源R1とR2の最大取り込み速度の間に線形のtrade-offを仮定する。
    …藻類の細胞表面積が一定であると考えると栄養塩取り込みについて細胞全体の栄養塩親和性Vmaxを用いて、
     Vmax = kN・VN,max + kP・VP,max
    現在のところ、kN = kP = 1を仮定している。
  2. 次に、strage capacityに栄養塩ごとの違いを考えず、溜められる種は両方溜められ、さもなくば両方溜められないと仮定して、藻類のstrage capacityをS=Qmax/Qminとする。
    このとき、栄養塩含有率が最小のときに達成される最大栄養塩取り込み速度は最小含有率が小さいほど大きくなると考えられるので、
     Vmax = a - b・Sn
    現在のところ、n=1を仮定している。
この仮定のメカニズムの方が大分シンプルにはなっている。
10月11日(Sat)

 結局trade-offについては考え直し、計算も一からやり直し。
発表に間に合うかどうかがかなり怪しくなってきた。

 日がな一日データセットの作成ととテスト計算。
ほとんど半泣きで作業の繰り返し。


10月10日(Fri)

 午前中、計算状況の確認と新しい条件の追加など作業。
昨日纏めたtrade-offの仮定を見返していて仮定の穴に気がつく。現在、最大吸収速度を固定しているので、昨日の理屈だと前提に反していて如何にも怪しい。ところが最大吸収速度を前述の仮定で与えると誰も死ななくなるという非現実的な結果がおきる。つまり、このtrade-offの理屈は破棄して一から考え直さないといけない。

考えていった結果、Qminのtrade-offを正当化できなければ、藻類の形質セットをすべて入れ替えて全計算をやり直す必要があることが判明。大ダメージだ。

 正午ごろ、町に用事で出かける。
あわせて新刊等を纏め買い。

 午後、放送の始まった月姫一話目の録画分など見ながら弁当。カレー食ってねー、などなど違和感を感じつつも、これはこれでありなのか?と自分を説得。


10月09日(Thu)

 午前中、本日はお仕事がお休み。
なんとなくそんな気がしつつ出掛けて行って休みなのを確認するという無駄足。そのまま研究室へ出向いて、朝のうちに計算結果の確認とか条件変更とかその他作業。それがすんでからバイク屋へ行って先日注文したシフトペダルに交換。内金と合わせて7060円也。高いっての。

 午後、雑用やら研究の続き。
個体群までにやる作業の整理と確認、必要な結果を挙げていく。まだまだやることは山のように残っている。その後昨日のtrade-offについて考えの整理。

 夕刻、trade-off仮定について続き。
ほぼ整理できたのでここらで纏めておく。

 ● パラメータ設定: 窒素とリンの栄養塩含有率(QR)の設定について。

  1. QRについての仮定
    • 藻類の最大の細胞サイズは競争している全ての種で同じであると仮定する。
      …全ての藻類の最大栄養塩含有率(QR,max)が同じ値(=Redfield値)になる。
    • 藻類の競争能力として最小栄養塩含有率(QR,min)に着目する。
      …QR,minが小さければ成長(維持)に必要な栄養塩が少なくてすむ。

  2. VR,maxについての仮定
    • 藻類のQR,minが大きいほど、そのVR,maxも大きい。
      …QR,max - QR,min(=Rの貯蓄可能量)が小さいほど成長に利用する余剰資源を保持できる時間が小さいので、単位時間当たりのVR,maxが大きくなければならない。
      よって資源Rについて、VR,max = kRQR,minn

  3. 二種の資源の最大取り込み速度(VR,max; R=R1,R2)の間のtrade-off
    • 藻類の資源R1とR2の最大取り込み速度の間に線形のtrade-offを仮定する。
      …藻類の細胞表面積が一定(イオンチャネルの総数が一定)であると考える。
      よって資源R1とR2について、VR1,max = a - bVR2,max

  4. 二種の資源の最小栄養塩含有率(QR,min; R=R1,R2)の間のtrade-off
    • 仮定の2,3より、QR1,minn = C' - K'QR2,minn(N>0)となる。このとき、
      • N<1 のとき、下に凸のtrade-off
      • N=1 のとき、直線のtrade-off
      • N>1 のとき、上に凸のtrade-off
      という関係性になる。

10月08日(Wed)

 午前中、セミナー。前半は僕の研究の進捗状況報告
スライドを使ったプレゼンテーション自体は(結果がほとんど出ていないこともあって)滞ることもあまりなく進行。
 発表後の質疑応答にて、ヨコヤマさんより計算条件の拡散性の幅(1.0-0.001)は現実的なのかという質問。質問意図を取り違えて頓珍漢な回答をしてしまったために更に場が混乱。カワタ先生より「相手の質問意図をきちんと理解せよ」と釘を刺される。

 相手の話を正確に聞き(聞き返しても誤解するより遥かにマシ)、ちゃんと相手の質問意図を把握した上で適切に答える訓練と努力が今一番必要だろう。最近相手の意図を理解できないまま頓珍漢なことを話してしまうことが多く、その都度痛烈に感じる。
 日常的に人の話を正確に聞くよう努力することを常に心がければ、それで十分に訓練になるはずだ。今後研究のための議論はますます増えていくだろうから意識して努力するよう心掛けたい。

 もう一点リサイクルのない空間系での結果の必要性を指摘される。

 午後、ひきつづいて数理生物学勉強会の担当分第二回。
先週からの続きで、忘れている箇所や理解があやふやな箇所を説明するのに失敗して混乱を招く。自分の思考速度と理解速度から考えると「話しながら考える」のは相手に混乱を齎すだけで利なしなので、「考えをまとめてから話す」ように心がけよう。

 夕刻、昨日のtrade-offに関して纏め直した物を占部さんのところに持っていく。
更に仮定の妥当性について突っ込まれ、議論(というか誘導してもらいながら)いろいろとアドバイスを貰う。なんとなく情けない。これを自分なりに整理してきちんと簡潔に説明できるくらいにしておく。これを纏めればモデルのアウトラインはひとまず完成となる。

 加えて、trade-offの条件を変えて線形のもの以外に上に凸、下に凸の形についても結果をとって、線形のtrade-offを仮定することの妥当性を示しておく必要があることを指摘される。

計算は続行中。

dequeue TODO stack:
− 数理生物学入門・7章担当
− セミナー・研究経過報告予定


10月07日(Tue)

 午前中、セミナー準備。
レジュメを書いたりセミナー用のスライドを作成したり。

 午後、計算結果のまとめ、打ち合わせの準備。
出ている結果の絶対数が足りない。が、仕方ない。終わった後はスライド作成の続き。

 夕刻、占部さんとカワタ先生と打ち合わせ(第二戦)
現状での結果の説明。
色々と突込みが入る。まず、恒例の説明の至らなさについて。

気をつけたつもりなのだけれど改善されていないらしい。より一層の気配りが必要だろう。ストーリー展開を常に意識して話を運ぶようなものを書くように心がける、と。
研究のほうへの突っ込みとしては、こちらも恒例になりつつある以下の点。 一つ目の拡散性の現実性については、これをそのまま温度対流や移流拡散に当てはめるのは難しいだろう。となると物理的な移動性の「指標」と捕らえて、という少しピントがぼけた話になってしまう。このあたりについては更に詰める必要がある。
計算日数とtrade-offの仮定の妥当性についてはそれなりに説明できたように思う。しかし自分の中でも整理しきれていない部分があったので、これもきちんと処理しておく。

 恒例になりつつあるということは、いつまでたっても一向に改善されていないということだ。自分のスキルがそこで停まる(相手にそう認識されるのも含めて)のは損失以外の何物でもない。

 夜、セミナー用のスライドの準備。


10月06日(Mon)

 午前中、計算結果を見ながらアウトラインとかのまとめ。

 午後、マクロ生態のほうのセミナー。
新しく赴任した助手のマキノさんによる自己紹介と研究紹介。ElserさんとSternerさんのプロジェクトにいたらしい。Stoichiometryの観点で遺伝子からグローバルな生態系までをリンクさせるという研究プロジェクト。紹介された内容自体はそのうちの遺伝子〜生理的なレベルの話。
 色々と面白い話を聞けたのと、自分のモデルに取り込んで新しい研究に使えそうなねたがいくつか。

 セミナー後、占部さんに進捗状況の報告。
うまく結果が出始めましたという報告と火曜日夕刻よりの打ち合わせについて確認。後この研究の次のアイデアについて少しだけ話をしてみる。リアクションはいまいちだったが、青写真もできていないので当然か。当面は今の研究を論文にまとめることに関して最大戦速で専念する。

 夜、アウトライン書きとか続き。
わざわざ占部さんが図の書き方等についてアドバイスをしに来て下さる。縦軸対数のグラフにすると確かに見やすい。後、結果の怪しげな部分も浮き彫りに。
もう一点、縦軸の藻類バイオマスをmg,C/lではなくて細胞数で出せないかという指摘。 だが、モデルの構造上単位体積あたりの藻類のmg・C/l、mg・R/lで計算をしているので、ある時間と場所ごとに各藻類がcarbon-rich気味とかの傾向を示すことはできるが、単位体積あたりの細胞数に換算するのはできないように思う。


10月05日(Sun)

 計算続き。
結果が出るのに時間がかかる。空間なしで用意した藻類群のうちの中間的な形質のものが勝者となるように供給比率を変えてやったところ、共存達成種数は下がってしまいそうなかんじ。うむむ、つまりこれは極端な供給条件下で消費者が資源供給比率の緩和をもたらすためという事になるか。
読みを外して新しい方の供給条件で計算をかけているため、それが終わってからとなるとクリアな結果が出てくるのはセミナーの後。まあ現時点のものでも一応傾向の確認にはなるのでよしとするか。今の条件セットが終わり次第、早急に栄養塩供給比率について条件を変えた結果セット取り直しをする必要がある。
ここでのロスは痛いが結果的にはDiscussionにトピックをひとつ追加できるだろう。


10月04日(Sat)

 計算続き。
10x10,8000days,25species-PPという条件だと、最速組の計算機でも30時間以上掛かる。色々と小細工はしているが根本的なスピードアップにはつながらない。

 計算結果。
load_N=600,load_P=280,Disp=1e-3,Act=1e-2の条件で終盤7000日弱経過した時点での計算結果
結局Qmaxの最大値固定がクリティカルに効いたらしい。空間分布のスナップショット真上からの鳥瞰図)を見ても局所的に勝者種が様々に異なっているのは自前の理屈どおりで良いカンジ。条件としてはリン比が高すぎるんでP=220のものを使って再計算中。
 ミジンコの移動性とそれ以外の拡散性について条件を変えて、全計算機フル稼働中。空間がなければ結果が出るのは速い(ミジンコありミジンコなし)。
 一方、ミジンコの生理計算タイミングを藻類と同調させないのはあまり効果がなさげ。
モデルのデザインにも原因はあるのだろうが、突っ込んで調べている暇がないのとQmax固定の方が効いてうまい結果が出そうなので無視。

 夕飯は研究室でハラコ飯
隣はカレイの刺身と写っていないけど白葱と薩摩芋の味噌汁。おいしうございました。


10月03日(Fri)

 計算続き。
自宅からも手作業で計算を仕掛けたりしたせいで寝坊。午前中打ち合わせ用資料の纏めの続き。午後過ぎに計算結果がとりあえず必要な分は出揃う。

 占部さん、カワタ先生との打ち合わせ終了。
一次元のものと空きサイトのモデルについては仮定が非現実的すぎる。また拡散系を考えるなら一次元でやる意義はかなり低くてかなり弱くなるだろうという指摘。かつ、一次元の結果についても3種共存までしか出ていないのは、栄養塩の2軸と捕食者の軸で説明できてしまうのではないかという指摘。
 また、微視的なモデルは扱う系のサイズが小さすぎる仮定に無理があってモデル的におかしいと指摘された。反論らしい反論が出来ず悔しい。
アドバイスとして、以下のようなものが出る。

  1. ミジンコの生理反応の単位時間を藻類と変える
  2. 藻類の栄養塩含有率の最大値を固定する
  3. 空間単位をミジンコと藻類で変える
大急ぎで一番と二番を導入して計算開始。月曜・火曜までに結果が出ないとどうにもならない。

 というわけで火曜日の夕刻より第二戦(再戦)。


10月02日(Thu)

 午前中お仕事、午後研究、夕刻輪読会(本決め)、夜研究
輪読会はとうとう2グループ、実験手法本と進化の教科書(Futuyma)に分割。成り行き上進化本の方の進行取り纏めをすることに。
よる、マサヤ君の打ち合わせ用資料の手直しの手伝いとか。

 研究
占部さんに打ち合わせのアポイントをとる。明日夕刻18時以降より打ち合わせ。進行状況と個体群を見据えたアウトラインの作成。
並行して一次元のモデルの結果だし。手で条件を変えながら逐次結果を取っていくというなんとも前近代的なやり方(というか馬鹿の所業)。実に非効率的であるが、短期限で所定の結果を得るためには仕方がない、と割り切る。明日中には間に合うだろう。


10月01日(Wed)

 本日より十月。
今月は何よりも個体群シンポでのポスター発表が最優先。

 午前中セミナー。午後数理生物の勉強会。
勉強会は僕の担当、半分くらいまでしか終わらなかった。まあ次回の準備は特別しないので負担になるまい。夕刻から夜にかけてミカミさんのモデルの話を聞いたり、その研究アイデアに難癖をつけたり(撃退されたが)。

 研究周りの整理
さて、研究経過の発表も来週に迫った。週末には占部さんのところに九月分の経過を報告しなければならない。そのために色々と整理。
まずは今やっているモデルの分別から。

  1. シングルパッチモデル
    ミジンコのいる/いないところの空間的な比率と共存できる種数の変化を調べる一次元のモデル。もともと予備的というか準備的にはじめたものなのだが、今のところまともな結果が出ているのがこれだけなので仕方がない。
  2. 空隙率モデル
    一番目のモデルのアイデアを元に、ミジンコのいない空きサイトが系に占める割合と藻類の共存種数を調べる二次元のモデル。メインターゲットなのにうまく結果が出ないまま新しい三番目を思いついたため現在放置されている。
  3. マイクロスケールモデル
    各格子辺りにミジンコが一匹という空間サイズを考えた個体ベースモデル。ミジンコの増殖と死亡によって空間的・時間的な空隙が出来るモデルなのだが、初期値への感受性が高過ぎるのとミジンコの藻類へのリサイクル効果が効き難い為、かなり見込み薄。このモデルで培われた技術が一番目と二番目に還元されおかげで、一番目と二番目のモデルはかなり高速化された。
で、つまり二番目のモデルのまともそうな結果が今週中を目処に出ないとかなりマズイことになるということだ。

 モデル案の説明のためのアウトラインなどは書き直すのに半日あれば十分だろう。発表構成をかねたイントロダクションのアウトラインは大まかに構成案は出来ているから、資料を引きながら明日中に作成する。占部さんのところに金曜に持っていくペースならギリギリセーフ、か?


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