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[TODO]

99 論文(待機中):"Consumer-driven nutrient recycling promotes algal diversity."
90 モデル:"The specialization v.s. generalization in dietary stoichiometry"(仮題)⇒拡張:二段階食物網のパターン
80 セミナー:研究経過報告(予定)⇒11月02日
70 モデル:芝草池塘群ユスリカ中立モデル(トガシ蔵王)⇒10月中
50 JES53@新潟:ポスター発表申し込み〆切⇒11月18日

30 モデル:"The specialization(略)⇒拡張:無段階の食物「網」構造
20 モデル⇒論文:空間パターン成因モデルのまとめ
20 モデル:"The specialization(略)⇒拡張:空間探索
10 モデル:ミジンコの生活習慣と繁殖成功度の関係
-5 モデル:空間介在2種競争のCNRモデル改⇒(ASS or PoEからのアプローチ?)



10月31日(Mon)

 午前中、自宅作業。夕刻前、研究室。
 データの処理と整理をしつつ、レプリケート採取の続き。ぼちぼち作業しながらデータのを眺めていたら計算機が落ちた。そこだけで全部の作業をしていたんで、プログラム・データ共々ヤバイかもと危惧しつつ、慌てて研究室。

 再起動して復旧。昨日から徹夜気味に今日に続く作業分だったんで、バックアップを怠っていた。毎度毎度、直前になると何かしらトラブルが起きる。努力しだいでリカバリが利く程度であきらめるほど致命的でないのもお約束。

 午後過ぎ、セミナー。
 前半、清水君による論文紹介。出典名不明(未発表とか何とか)。ミジンコの成長速度について温度による制限とC:P日によるリン制限の両面を考慮した研究の話。途中の結果で、体内リン含量による寄与自体に温度依存性がある結果であったのに、最終的な成長率への寄与は温度の項とリンによる制約の項が独立に掛かっているようなモデルになっていた。考える時間が短かったから確かとはいえないが、リンの制約自体に温度の影響が掛かってないとモデル記述としてはマズイんじゃなかろうか。問題のありそうなモデルのように思えた。
 最後に少しだけ彼自身の研究計画について話をしていたが、新規性については本人もキチンと認識してなくて、データの厚みを増やす、という感じだったのが少し心配ではある。

 後半、三浦君による論文紹介。彼自身の投稿中のものとか。寄生者による感染が、ホストの体サイズの巨大化と生息場所(とそれに伴う?餌資源)のシフトを引き起こしていることを示した研究。従来の研究に比べてデータが非常にシンプルで、他要因をかなりクリアに排除できているので非常に説得力があった。

 富樫君から、昨年分のデータをもって行くんで覚悟しとくようにと釘を刺される。いや、忘れてたわけではないのだが、ばたばたしていて後回し気味になったのは申し訳ない。水曜日午後に打ち合わせのアポイント。

 夕刻、作図までひとまず済ませていたところで、山口さんからプログラム相談。ひとまず水曜日の分までの準備の目処が立ったところだったこともあって、その場でコーディングしながら簡単に解説。本読みながら試行錯誤した方が地力の向上にはなるけど、訊いた方がはるかに早いからね。
 10分くらいで済むかと思っていたら思ったより時間がかかって、夕飯を逃す。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 先日いただいたスクリプトによる作図。結果としてはロジック通りで、餌量が増加すると食物網がシンプルになる。昨日の結果を参考にするなら、もっと餌量が増えるとドリフトで消費者の多様性「も」下がるんで、食物網はますますシンプルになる、という見方もできることになるな。 まあ実を言えばもうちょっと詰める必要はあるが、この段階での話をする分には申し分あるまい。現時点での問題は、餌数が増えたときのtrade-offのかけ方に問題(というか課題)が残されたままというところくらいか。

 食物網の複雑性に関する定量的な解析はどうしたもんかね。α・β・γな多様度指数を、種内での餌依存度の多様性・種間差・食物網の複雑性、と割り当てるのが妥当なのかな? 即座にはこれ以上のアイデアを思いつかないな。


10月30日(Sun)

 井上センセじゃなくなった途端に面白いと感じてしまうのは、たぶんネガティブフィルタ掛かりすぎ。自覚はあるんだけど…。

 午前中、自宅作業。夕刻前、研究室。
 自宅から2種系モデルの手直しなど。テスト計算させながら特性傾向の観察など。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 とりあえず様子見段階での計算結果、生産性が高すぎるとドリフトっぽく競争排除が起きる。この理由は、単純に次世代への複製個体数が環境収容力に比べてはるかに大きいいからだろう。ま、そこまで生産性(餌供給量)を大きくする意味もあんまり無いか。

 出力形式をもうちょっと手直ししてからレプリケート採集中。やっつけコーディングなのでえらい汚いコードの上、計算時間が掛かる。とは言うものの、データ回収時間は現実的に許容範囲内なんで暫く放置。気分はよろしくないが、投資作業量に見合うだけの速度向上は望めそうも無い。暇を見てコードの可読性だけ改善することにしよう。


10月29日(Sat)

 午後、研究室。
 発表資料の手直しと2種競争モデルのコーディング。ひたすら手を動かしてるときにはあんまり考えることもなく、夜過ぎまでかかって完了。

 で、要旨を書いてアナウンスをするのを津田君から指摘されるまですっかり失念してた。で、日付が掛かる頃までかけて要旨+αを書きつつ、マサヤ君にチェックを入れてもらう。


10月28日(Fri)

 午後、研究室。
 計算機を一台修理に出す用事ができた。今後のことも考えて、今回は津田君に全面的に任せてみる。これでもうそろそろ、僕でなければ出来ない作業はほとんど無くなったはず。

 発表資料の準備、二種競争の前まで完成。ほとんど自動化してあるのに、思ったよりもデータ処理の時間が掛かる。「ほとんど」であって全自動でないからか。さて今からコードを完成させて。…て、間に合うのか。とりあえず「ただいま作成中」とか馬鹿なことをして遊んでる場合ではないのだが、これ、このままセミナーで使う羽目になったら最悪だな…。


10月27日(Thu)

 サーバおち。最近多いんで一新するかとかいう話が浮上中。間借りしてるサーバもいい加減骨董品だからねえ。基本フレームは、えーと、8年以上も前の機体になるのか。

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 発表資料の準備、途中まで。

 帰り際に占部さんと出くわす。原稿しばし待つようとの旨、先じて言われてしまった。仕方がないので今やってるモデルの話を講演受付前までに聴いてもらうアポイントとる。
 もう一件、頼みごとをして、そっちは予定が空いてて暇ならとのコト。ドタキャンとかされると冴えない話なんだけど、愛媛の人のときに前科もちだからなあ…

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 出力情報の数を増やす。同時に餌依存性のgeneralityの指標として先日思いついたShannon-WeinnerのH'を適用した値を出力できるように書き足し。


10月26日(Wed)

 ADSLプロバイダの契約解除は月末で大丈夫だろうと思っていたら、20日以降の退会は翌月扱いだった。一か月分余計にコストが掛かって、うう、間抜けすぎる。こういうのは即座に済ませとけということなんだな。

 午前中、研究室⇒セミナー(カ)。
 ハザードは緊急停止装置じゃねーですよ、と。

 前半担当は今村君で論文紹介。Keller and Genoud(1997),Nature(383).。真社会性を持つ昆虫(のクイーン)とそうでない昆虫との寿命の比較を行った結果、真社会性の昆虫では外因性の死亡率の低下と、加齢に伴って繁殖努力が増加することが、クイーンの寿命の延長要因となっている、らしい。イントロダクションになったメカニズム的な説明は、この研究では十分には出来ないような。彼自身の卒業研究の実験の方もいまだ難航中だそうで。

 後半担当は高橋さんで論文紹介。Michels et al.(2003), Freshwat.Biol.(48):1825-1839.。3種のミジンコについて、メタコミュニティ的なアプローチで、生息地の面積と遺伝的多様度、生息地間の距離と遺伝的分化の関係を調べた研究。最近続けざまにDeMeester一派の研究紹介をゼミで聴いてるな。論文紹介のあとに簡単な研究計画について発表があったのだけど、そちらの方の議論が白熱していた。高橋さんの当面の課題としては、何故ミジンコを材料に研究するのかを、卒論発表までに答えられるようになっている必要がある。

 セミナーが済んでから、昨日の環境収容力の問題を河田先生に話してみる。結論としては、集団サイズに上限を設けないと餌が余剰になりえない点に関しては同意を得られたものの、上限の設定については餌量によるType2-FRあたりを想定しているようだった。結局それだと集団サイズの上限の代わりに半飽和定数の設定に置き換わるだけの気もするのだが、良いのかな? 話をしていて、どうも河田先生が本当に問題と考えている点について、僕の理解が追いついてないような気がしてきた。
 結局、もう少し思考を詰めないとすっきりとした解決はされそうに無いが、当面、人為選抜なデザイン自体はモデルとして無駄ではあるまいということにはなった。


10月25日(Tue)

 午前中、自宅作業。午後、研究室。
 午後過ぎ、バイト。終わってから頼まれ作業とメール書きで夕刻まで。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 集団サイズに関する拡張完了。集団サイズの上限を設定できる/できないを一発切り替えできるようにしたんで、色々と試して各条件下での計算結果を採ってみる。結果として、上限を設定しない場合には、実にきれいなgeneralist構造が餌量に関係なしに維持される。これはなぜならばシステムの生産性に対して、ポテンシャルいっぱいまで集団の成長に利用しようとするからである、という風に説明自体は可能なんだが、要するに競争集団に対して餌があまらないことになっているという点で、少々困ったなという感じ。ロジックに対しては実に妥当かつ適切な結果といえる。

 アイデア元であるBolnick(2001),Nature.の実験デザインでは、次世代集団として500個体を選ぶ人為選抜実験になっているのだが、このプロセスを取り払うと、餌に対する競争の効果は、餌量に対して常に同じ圧力になってしまうってことか。もともとが競争者間で餌があまる状況と不足する状況の比較をしたいわけだが、系の生産性に依存して集団サイズが決まれば、餌量に対して常に同じ競争圧になってしまう(期待値としては)。

 そう考えると、ある量までは餌量が集団サイズの制限要因になるのは構わないとしても、餌が無限に増加したときにそれに合わせて集団サイズ(環境収容力)が無限に上がっていくと捉えた、先日の河田先生の指摘はちょっと違うような気がしてきたぞ、と。なぜなら、餌が供給過多になっている状況が重要なのであって、そういう状況では、餌以外の要因が集団サイズを規定するだろうと考えられるからである。単純に河田案では餌があまらないから比較にならなくて困るという話なんだが、このロジックでもって、さっそく明日にでも反論してみるとしよう。


10月24日(Mon)

 午前中、研究室。
 本を読んでから研究室。日程だか場所だかの調整の折り合いがあわないとかで、本日はセミナー(マ)はお休み。

 頼まれごとに関する質疑応答のやり取りなどしつつ、並行して丸一日かけてモデル部分と表の修正。結局シンボルテーブルは最初から書き直し。全部終わってから要約もほとんど最初から書き直して、夜過ぎ提出しなおし。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 吉野君から「来週セミナー担当だよ?」と、釘刺されてしまった。思ったより(というか週末丸々)原稿修正作業に時間をとられて、発表準備どころかまだ結果も出てない状況なので…うひーヤバイ。
 集団サイズ(環境収容力)を生産性(餌量)と独立に設定しないモデルへの拡張工事中。遅い時刻からはじめたせいもあってあんまし進まず。明日・明後日中に浮動による固定の効果を取り除いた結果を眺めるとして、今週中に二種系に拡張しないと、ほんとに来週のセミナーで喋るネタが無い。

 めも:"ギャオ、視聴300万人でも赤字”
 一番お世話になってるVoDサイトなんで頑張ってほしいところ。現行でのVoDでは、(回線速度にもよるのかも知れないけど)ランダムシーク時のバッファリングにはきわめてストレスフルな時間が掛かるし、CMとばせなくてもぜんぜん構わないんで、こっちが主流になってほしい。…とは思うものの、直接コンテンツ販売をしないでCMのみの収益形態はやっぱりキビシイのかね。


10月23日(Sun)

 朝起き、自宅作業。午後過ぎ、研究室。
 雨が上がるまで自宅で昨日の続きなど。午後遅くに雨が上がったので、宮城県知事選挙の投票に立ち寄ってから研究室。16時の状況で投票率が20%弱という実に関心の薄い選挙。

 論文原稿の直し、モデルとそれに伴うシンボルテーブル以外の箇所はおおよそ完了。

 bFletsの「接続ツール」なるPPPoEソフトが非常に鬱陶しい事この上ないので、伝手からルータを借りてきた。で、VDSLモデムとルータ間の接続用に15cmケーブルを作成。久々にやったら失敗続きで、RJ45を二つもダメにしてしまった。ルータ側の設定はこれから。


10月22日(Sat)

 火曜日に出したメールの返信が来る。日程調整含めて検討するとの旨。この件に関してはメール不信になった前例があるんでちょっと心配していたところ。後は結果待ち。

 朝起き、自宅作業。
 昨日の続きの原稿直し、夕刻まで。しばらく脱線して別の作業をして、まだまだ作業量が残っている。

 めも:W-zero3
 キーボード付き携帯電話。ちょっと大きめだけど、NDSに電話機能がついてると考えればこんなものか。これまでは携帯電話なんぞ話が出来る以外の機能は要らないという考えだったのだけど、これはノートPCの代わりとして欲しいかも。


10月21日(Fri)

 ネタバレ禁止とお小言貰ったので、昨日のレポート資料は削除。いろんなトコから能天気すぎると怒られた。

 午前中、研究室。
 朝一で占部さんにお渡ししていた原稿が戻ってきている。昨夜遅くに置いて行って下さったらしい。で…一通り目を通して、あまりの直されように激しく落ち込む。
 午後過ぎに占部さんがやってきて個人指導、夕刻まで。戻ってきて原稿を直し始めるがあまり進まない。夜まで。


10月20日(Thu)

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 午後過ぎ、vs河田戦。30分のインターバル後の再戦込みで夕刻まで。イントロダクションが手抜きだったり結果が薄いのがダメっぽい感じなんだけど、手札として使うレポート資料の準備に結局直前まで掛かったり。結果は引き分けというか、痛いところを二つとも的確に刺されたのを差し引いて4:6くらいか。

 さて、指摘された問題点が二つ。ひとつはgeneralistにかかるペナルティについて。もっともこちらはセンシティビティに関する問題点は既に認識していて幾つかは下準備の段階で既にテストして傾向もある程度把握しているので、これをきちんと追試して確認してやればよい。指摘されたMichaelis-Mentenでなく線形にtrade-offが掛かった場合についても、既に試してあったりする。感受性の高さ自体は頭の痛い問題ではあるが。

 もう一点。それぞれの餌量(=称して生産性)にたいする消費者の集団サイズ上限(環境収容力)が独立に設定されてことについて。今出ている結果が浮動の結果固定したためである点までばっちり指摘されてしまった。環境収容力が餌の供給量と完全に独立しているのはいかにも不自然だという点に関しては同意せざるを得ない。さて、では恣意的な集団サイズの上限を設定しないとしてどうするか、ということであれこれと議論をするもイマイチ纏まらず、一旦インターバル。その間に頭を冷やして再度考えを纏めなして再戦。

 要するに問題は、現在の適応度の計算式;繁殖成功度(f)=ペナルティ(p)*成長効率(r)*獲得資源のマスバランス(m)、という形に対して、摂餌の競争回数(T)の全てでベストな餌を獲得できたときには繁殖成功が1を超えるが、そうでなければなかなか1を超えないようにrを設定すべき、というのが河田先生の案。
 僕はそれに対する反論として、餌が十分に多いときには集団全てがspecialistになったあとで集団が指数増加をするため、「十分に餌がある」という状況が起こらないと考えて反論をしていたのだが、これは少し的確な反論ではなかった(というか、こうして書き下すといかにも頓珍漢である)。
 少し冷静に考えれば、これは、集団サイズ*競争回数に対する最適な餌の供給量の比率が問題になってくることがわかる。すなわち消費者にとって、成長効率*{最適餌の供給量/(初期集団サイズ*競争回数)}が1を下回る状況では、必ずしもspecialistが最適な摂餌戦略とは限らない。つまり、序盤の世代において、競争の途中でベストな質の餌が枯渇するような状況の方に目を向けるべきということか(そうでなければベストな餌のみを十分に得られるspecialistが卓越する、はず)。

 なんとなく、集団サイズが世代とともに小さくなっていって、specialistだけの集団が十分にまかなえるだけのサイズまで小さくなって(集団サイズ*競争回数=ベスト餌の個数)ところで終わり、という結果が予測できる。他の餌も選択できるタイプが専門に食べるタイプの連中の取り分にどれだけ割り込めるかということになるのかな。この辺は結局、成長効率の値に依存してくるのだろう。


10月19日(Wed)

 朝、研究室。午前中、セミナー。
 前半担当は、村田君による論文紹介。Endler et al.(2001), Am.Nat.(158):36-48.。グッピーの視覚受容体(錐体)について、2種類の波長の光(赤・青)の感受性の高い個体を選抜する人為選択を行ったら、それぞれの処理でそれぞれの色に対しての感受性が上がった、という内容。赤・青色の両方とも、実は赤色感受性の高い長波長光の感受性錐体の多型に対してそれぞれ選択が掛かった結果で、赤・青それぞれの錐体への選択ではなかった、というのは、先行研究を知らないで話を聴いてる立場としては、カードが伏せられたままゲームが進んでるようで釈然としない展開だった。
 現在遺伝子を特定している最中で、ここから先の話はこれからということだったが、日進月歩なトピックにおいては2001年の論文も古いという評価になるのだと、あらためて感じたり。

 後半担当は、山口さんによる論文紹介。Vellend and Geber(2005), Eco.Lett.(8):767-781.。種多様性と遺伝的多様性について概念的に融和を図るとシアワセになれるかも、という感じのレビュー。ロジックについては従来の理論の援用なり拡張だったので、そういう説明のされ方もあるだろうと思えた。が、セミナー中に横山さんも指摘をしていたが、群集生態学の分野に対して遺伝学の側面からどのような寄与があるのかが具体的にイメージしづらかった。
 時間の関係もあって、実際のデータや事例についての説明をばっさりとオミットした為か、ロジックからロジックにつなぐ説明は、いささかとっつきにくく感じてしまった。箱庭的モデリングが基本的なスタンスである僕としては、もう少し即物的な説明が合間に挟んであっても良かったかなと思う。

 午後、河田先生と論文の投稿先やらその他幾つか話をする。今取り組んでいるモデルの話を聴いてくれとお願いしたら明日の午後にということになってしまった。
 先日の食物網に拡張する案もひっくるめて話の纏め方まで含めたレポートの作成。夕方少し外出したのを除いて、夜過ぎまで。

 QFW作図スクリプト。久保さんに丁寧に対応していただいて、平尾聡秀さんにコンタクトを取る。すぐにレスポンスが帰ってきてRでのQFW作図スクリプトを使わせていただくお許しを貰う。同梱されていたダミーデータを使ってためしに操作してみる。Rの使い方になれてないので山本君に教えてもらいながら、ダミーデータでの出力がこんな感じで、まさしく欲しかった通りの作図。

 現時点では消費者が一種だし、今作業している拡張案でも消費者は二種なので、ここまで複雑な図にはならないが、こういう図が描きたかったのですな(手作業でナシに)。快くスクリプトを使わせてくださった平尾さんに感謝。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 種の餌への依存度の複雑性の指標として、Shannon-Weaverの多様度指数が使えるかもしれないというアイデアを思いつく。すなわち、ある種が特定の餌に大きく依存していれば多様度指数は低くなり、反対に、よりgeneralisticな餌のとり方をするなら多様度指数は大きな値になるだろう。
 この値を指標とすれば、最終的な消費者多種系の条件でのシミュレーションのアウトプットとしては、種間平均の餌依存多様度指数が餌量に応じてどのように推移するのかを観察すればよい。で、現時点での予測は、餌量(=系の生産性)が増加すると「多様度指数」の値が小さくなるだろうという予測として表現できる

 もう一案、現在は計算条件として、各個体は繁殖時期まで何回も他個体と餌を取り合って競争をしているのだが、この回数を極端に少なくするのは、どういう状況に相当するだろうか? これは、一回の選択がその後の餌条件を永続的に決定するという意味で、habitat selectionとみなすことが出来る。すなわち、競争回数が極端に少ない計算条件は、一度選択を誤ると、自分の要求と質の合わない餌しかないhabitatに定着してしまう、という状況に相当する。これは摂餌選択行動の議論とはまた別の話になってくるが、不適な餌を選ぶリスクが極めつけに大きくなる(generalistが大打撃を被るリスクが増える)という点で、これはこれで面白い。将来的な拡張として、餌の探索範囲が限られた縄張りの内に限定されるという状況なんかもありえるだろう。


10月18日(Tue)

 午前中、自宅作業。午後、研究室。

 午前中は自宅でコーディング。午後過ぎ、バイト。夕刻、研究室に戻ってあちこちにメール書き。

 よくよく考えたら、来月アタマにセミナー担当? すっかり失念していた。それまでには全工程を完了させておきたい。いや、させる。久々にやること一覧を入れ替えたり差し替えたり。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 昨日で当面の今後の指針が定まった。現状でまず、一手目として為すべきは、ボディプラン(=要求性)の異なる消費者2種へのモデル拡張。あと餌の種類はもう少し増やしてgradualにしよう。これで競争の強さと餌選択の間に消費者が1種のときと同様なパターンが(たぶん)出るだろう。すなわち、競争が緩やかなら互いにspecializeし、競争が強くなればお互いのnicheに侵犯するだろうと予測できる。

 で、次に二手目で、Elser et al.,(2000),Nature.の植物と植食者それぞれの質と頻度がまとめられたデータをQFWに出力してみて、競争の強さ(というよりは餌となる植物のabundanceだから生産性か?)と(ニ段階だけど)食物網の複雑性との関係を、従来の結合度だけでなく量的な関係として示すことが出来たら詰み、かな。

 やることも固まったし期日も無いんで、手を動かして急げ急げでコーディング中。拡張に応じて増築される一方なのでコードがひどいことになりつつある。ううむ。

 とりあえず餌の種類を増やして、てきとーに計算を仕掛けてみる。結果…定性的な傾向はたぶん変わらないようなんで問題なし、なのだが、表現型とnicheの頻度分割が増えすぎてデータ処理が面倒すぎる。逐一これを手作業でちまちまと処理すんのはこりゃ無理だ。
 もう1点、(前にも似たようなことを書いたが)現在は消費者の集団サイズ・餌の種類数・各餌あたりの個数をそれぞれ独立に設定しているのだが、独立に調節しなきゃならない変数が多くなるんでこれはやめたほうがいいな。少なくとも、各餌の個数=トータルの餌量*各餌の相対頻度、トータルの餌量=消費者集団サイズ*競争の強さ(この場合には緩やかさになるのか)としないと、出てきた結果の比較基準がそろえられない。


10月17日(Mon)

 午前中、自宅作業。午後、研究室。
 週末からひたすらに積読を崩し続けてようやく一桁に。読書の秋満喫中、というか。

 午後過ぎ、セミナー(マ)。
 前半担当は、河内君で論文紹介。Medina-Sanchez et al. (2004), Limnol.Oceanogr.(49):1722-1733.。貧栄養の山岳湖沼での細菌のバイオマスの調節要因がMixotrophic NanoFlagellates (MNF)による捕食量であることを示した論文。なのだが、やってるデータが多いのに実験1,2,3…、結果1,2,3…という進め方もあって混乱というか、データ量に圧倒されて朦朧としてしまった。そんな感じなんで、発展して紫外線量との関係がどうこうというところまで議論をしてるのだが、今ひとつ納得できない感じだった。

 後半担当は、若山さんによる研究紹介。ウミホタルの新種(?)について、これまであまりに個体数が採れない為記載も出来ない状況だったのに、この前のサンプリングでたくさん採れた(15個体)んでいろいろ出来る、らしい。
 形態的には非発光の祖先種に近い系統らしく、発光生物の進化をたどる上ではミッシングリンクを埋める発見ということなのだそうだ。個人的には、数万のウミホタル個体群中にせいぜい15個体という頻度の個体群がどうやって維持できているのか非常に気になるのだが、そこら辺は依然わからないらしい。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 夕刻から作図含めてレポート書きなど。こんな結果の図をちまちまと手作業で書いていたのだが、実に面倒なので何とか自動化したいと思い、あれこれ訊いて回る。すると田辺君経由で久保さんの日記に全くそのものずばりな図が載せてあることを教えてもらう。苫小牧 の平尾さんという方が作図スクリプトをRで作っておられるらしい。これは実にすばらしい! というわけで、消費者の数を拡張したら、さっそくメールを書いてお願いしてみることにしよう。


10月14日(Fri)

 午前中、自宅。
 朝起きて本を読んでから、本日は月初めに切り替えた回線の工事。10時過ぎに工事の人が来て作業、一時間弱。接続設定もすぐに終わる。
 ADSL8M⇒VDSL100Mに切り替えてから、実測がどのくらい出るかテストしてみる。自宅⇒研究室で、下り9.5Mbps・上り3Mbpsくらい出る。研究室にファイルを送るのは劇的に速くなった(60Mのファイルを50秒弱)が、下りの体感速度は少し速くなったくらいか。この速度だとbFletsとしては下りはあんまり(というかぜんぜん)出てない部類だし、だいたい昼間の研究室と同じくらいの速度というところだ。ちなみに研究室だと、登り速度は35.39Mbpsと異様に速いんで、下りには帯域制限でも掛けてあるのかも。

 夕刻、先日の手紙のお返事が来る。既にずいぶん昔にメールで返事を書いた筈とのことで、大慌てでサーバで直接検索するがやはり見つからない。よりにもよって致命的に重要なメールがロストするとは何ともはや…。まことに失礼しました。結構ヤキモキしてたんだけど、これでひとまず安堵というところ。処理をしてしばしの結果待ち、12月アタマだっけ?

 あと、太宰府方面からアヤシゲな封筒包みが届いた、感謝。

 午後過ぎ、輪読会(占)。
 前半担当は、富樫君によるCottenie and De Meester(2004), Ecology(85):114-119.の紹介。湖沼の動物プランクトンの種構成・種多様性について、ローカルでの排除要因(競争?と捕食)とローカル間の分散の影響バランスについて実験的に評価した研究。結果としては、分散によって入ってくる種は喰われてしまって多様性に寄与しないという話。実験的にローカル内/ローカル間の要因をを比較評価をしたというのと、主要因分析と多変量解析を組み合わせたようなデータ解析手法が新しいということなのかな。個人的には分散の強さについての評価がされていない(というか、アレを分散とみなす)のは不安で、実験の途中で動物プランクトンを何度か供給しなおす回数を調整するなどして、分散の効果の強さを変えてみると面白いかもしれない。

 後半担当は、加藤さんによる Cole et al.(2004),Limnol.Oceanogr.(49):1169-1172.の紹介。湖水の溶存無機炭素(DIC)中の安定炭素同位体比(δ13C)はどのような要因で決定されるのかを調べた論文。せっかく湖沼の物質循環と生産分解を考慮したprocess based modelを構築してるにもかかわらず、(step-wiseで)DIC濃度+CO2分圧を説明要因とした方が当て嵌まりが良いという…何ともションボリな結果。最後にAICの順位表を見て「そりゃないだろ」という内容だった。
 わざわざ湖沼タイプを限定して(heterotrophicなものだけに絞って)process based modelの回帰係数を上げるとか、苦しいことをしてて、たぶん著者たちもおんなじような気分になったのだろうなあと推察できる。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 データの処理を手作業で始めたのが失敗だった。時間が掛かった割に作図終わらず。足したことないと思ったのが間違いだった。…スクリプト書こう。

 レポートの方見返すにつれ、消費者の少なくとも2種にして、食物網の複雑性みたいな話の運び方をしたほうが良さそうな気がしてきた。作業量的に可能なようなら、話をする前にそこまで進めてしまうか。

 めも:"A Secondary Symbiosis in Progress?"

光合成を行う緑色の藻を体内に取り込むという進化プロセスにあると考えられる海洋微生物が日本の砂浜で発見された

そうで、その名もhatena。新たに門が登録されてしまったとかで発見者は日本人(というか横山さんの出身研究室?だそうだ)。進化的意義もさることながら、分裂時に片や緑、片や透明へと分かれる写真と、そのへんてこな生活環が非常に面白い。


10月13日(Thu)

 午前中、おしごと。午後、研究室。
 午後いっぱい計算機をぶん回してレプリケートの回収をしつつレポート作成。キリが悪くて輪読会はお休みさせてもらった。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 昨日の重み付けの件、たぶんやらないままだと”レア”な依存度な餌に対してoverestimate気味になる。したがって重み付けは必要だろうと判断する。
 結果の作図、gnuplotで積み上げ棒グラフの描き方が判らない。とりあえずexcelに喰わせて眺めてるわけだが、意外なまでにsuplimentalな連中がロバストだな。これは餌の条件がデザインドデータなんで、N:P比の対称性が高すぎるのが原因だろう。それはさておき…いよいよRの出番か。

 アウトライン。結果以降はまだだが、ひとまず骨組みだけ組み立ててみる、…薄い。うーむ。話しのもって行き方としては、いずれにせよ現実のデータを載せてみるのはやるとして、多種系に拡張するところまで先に進めたほうがいいんだろうか、判断に迷うところだ。


10月12日(Wed)

 朝、研究室。
 本日はやることがたくさんあるので、起床後特にぐでぐでせずに研究室へ。朝のうちに、昨日の量的食物網なコンセプトで結果を出力させてみるようにコーディング。テスト計算の出力を見るに、なかなかに良さげな手応え。

 午前中、セミナー(カ)。
 前半担当は、吉野君による論文紹介。Patten et al.(2004), Evolution(56).。ウタスズメの2つの亜種の交配隔離のメカニズムとそれが環境とリンクしていることを色々な手法から実証した論文、に聞こえた。が、イマイチ腑に落ちぬ箇所があったりと、よく咀嚼しきれぬ内容だった。

 後半担当は、福原君による研究計画。オサムシの交配様式では鍵と鍵穴のマッチングが重要になるが、多回交配を望むオスと望まない雌のsexial conflictの観点から、集団サイズが大きく交配機会が増えるような状況では、マッチしないように雄雌での交尾期の平均的な形質が一致しないだろう、という感じ? (当人も認めていたが)これまたロジックが噛み合っていないというか、よく判らない内容だった。作業内容自体は確定しているようなのでデータは得られるとして、どう料理するかが定まっていないようだった。

 正午過ぎ、私用で少し外出。戻ってきて、ちょこちょことコード弄りを少々。

 午後過ぎ、セミナー(マ)
 前半担当は、石川君による論文紹介。Hillebrand et al.(2004), Oikos(106):93.。底生の付着藻類に対するgraser二枚貝と光量のstoichiometricなインパクトについての研究。CNRによる栄養塩の再供給についても触れられているようだ。やはり、陸上のシステムと同様に、底生付着藻マットに固形状排泄物で直接施肥するようなシステムの方が、CNRによるresource heterogeneityについては捉えやすく、扱いやすそうなのはいつものとおり。いちおう文献に直接目を通しておく必要がありそうだ。

 後半担当は、西君による論文紹介(再)と研究計画。前回あまりにアレゲだった内容のやりなおしとそこから発展して、自分の研究計画も発表するという趣旨。生物の陸上進出の進化について系統樹から考察する論文を踏まえて、大東島や本州各地で巻貝(ナニガイだったか失念してしまった)を調査し、同様に系統樹から巻貝の陸上進出について考察するというもの。簡潔でわかりやすい論文紹介と(一部ヘンなのもあったけど)ちゃんとした研究計画についての受け答えで、見違えるようだった。のはいいんだけど、車で本州縦断だそうで、相変わらず千葉研のサンプリングは過酷そうだなあ…。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 昨日の案はなかなかに良い感じ。餌の消費量で種のnicheを記述しようと試みてたけど、これは十分に競争が強いと消費量が頭打ちになる(使い尽くす)ので困っていた。今回の記述方法だと、潜在的というか期待値としてではあるけど、種としてのnicheが「各餌への依存度の総和(%)」として記述できるので、実に簡潔になったと思う。レプリケート間の平均を採れるように、スクリプトの方を書き換えて計算機に投げる。

 いくつか競争の強さを変えてレプリケートを採ったところで、競争の強さに対する積み上げ棒グラフの模様の推移として作図できるだろう。これが出来たらひとまず第一フェーズ(ダミーデータによるテストモデリング)は完了というところかな。

 計算を投げた後で気がついたけど、「個体ごとの餌の依存期待値(%)」で総和の際に重み付けしたほうが良いのか、これ? いずれにせよ結果自体はあまり変わらず、競争の強さとspecializationとの間に勾配は出来ているので、どちらでも同じであるようにも思えるが、考えてみることにする。


10月11日(Tue)

 自宅作業⇒午後過ぎ、研究室。
 昨日から引き続き、コーディングとレポート作成の続き。午後過ぎ、バイト。14日までは待てということは、それ以降は覚悟しとけってことだよな…。

 夕刻から『紙の』手紙なんぞ書き始める。何年振りかなので異様に時間が掛かって、一時間ほど。なんだかんだといっても電子メールは書式としては略式だよね…。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 アイデアの整理をしつつ書き付けているうちに、方向修正がされる。目を向けたいのはTroost et al.(2005).のような方向なのだよな、と、再確認。さらに、せっかく「種niche=個体の戦略の総和」というコンセプトを取り入れて、というか最大限に拡張してるんだから、これをもっと前面に押すべきなのだ。これに従えば結果の見せ方も決まってきて、Quantitative food webでもって種のニッチを個体戦略の総和として記述できる、かもしれない。

 で、以前似たような絵を見た記憶を頼りに、横山さんから文献をいただいて、Morris et al.(2004),Nature.から孫引きして、Lewis et al(2002), J.Anim.Ecol(71)855-873.を読みながらあれこれアイデアを捻る。さっさとconsumerを多種系にすることで二段階の食物網としては似たような絵が描けるわけで、種内/種間を同時に考慮する方が面白い議論が出来るかもしれない。
 が、まあまずはこのアイデアで、消費者が一種のときに競争の強さが変わるとどういう絵が描けるか、というところから再スタートしてみるとしよう。


10月10日(Mon)

 午後過ぎ、研究室。
 復旧したマシンで昼過ぎまで自宅作業。マシンスペックが向上しても、その分タスクを突っ込む量が増えるんで快適さは上がってないような…。圧縮とか変換作業のような単純に演算性能律速な作業は早くなってるけど。

 重要な作業を後回しにして、終日コーディングとか、のそのそと作業。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 Elser et al.,(2000),Nature.のデータを突っ込もうという段になって、餌の発見頻度が個別に指定できない設計になってるのに気づく。適当に設計したものにその場で付け足してるからなあ…。という訳で個別に(N含量,P含量,頻度)で再設計⇒コーディング。さして時間は掛からず完了。
 よくよく考えたら、餌総量と摂餌回数から擬似的な競争の強さみたいなものが算出できるので、反対に与えた競争の強さから逆算して各餌量に割り当てるようにするとパラメタ数が減ってよいな。

 さて、そろそろ計算条件・餌条件は読み込みデータor実行オプションの形に変えたいところ。餌データの方はファイルで確定として、計算条件の方は読み込ませるまでもないか。オプション指定⇒スクリプト内で動的変更、の方がデータの動的書き換えより楽そうだということで、getopt()なプログラムをCNRモデルのときの遺産から引っ張り出してきて書き換え。

 作業と並行してレポート書きの続き。イントロダクションはひとまず放り出してモデルの仕様を書く。この作業は楽に進む。夜ごろまで作業をして、腹が減ったんで撤収。

 めも:"オタクは遍在する"
 マルチタイプでした…というのはどうでも良くて、ニュースリリースを見るに、

本調査研究におけるオタク層の定義は、「強くこだわりを持っている分野に趣味や余暇として使える金銭または時間のほとんどすべてを費やし(消費特性)、かつ、特有の心理特性を有する生活者」です。

だそうで、趣味人⇒オタクという新定義というか括り直しがされているだけという気もする(カテゴリの上の方は除く)。この定義だとアウトドア/スポーツ以外の趣味を持つ人は全部該当するような。何でもかんでもオタク呼ばわりすりゃ良いって物でもなかろう。
 ケータイにこだわるアナタも、(今回は造形のカテゴリがないけど)チョコエッグを買い集めるアナタも、Macintoshを愛するアナタもみんなオタクですよ、という冗談はさておき、分析要因として消費特性が重要といってるだけなんで、マーケティングに対する提案としては従来のモデルから新しいわけでもない。


10月09日(Sun)

 自宅作業。
 昨日の作業を続けつつ、Polechova and Barton(2005),Evolution.を眺める。タイトルどおりReviewはReviewなんだが、延々と式が続いて数ページでバテそうな。
 各種ソフトのインストールとアップデート。今回は自宅環境にもBunBackupを導入。3時間おきに丸々別のHDDにデータを逃がすことにする。午後過ぎまで掛かって、ほぼ元の環境に戻す。

 夕刻、拉致られた先で、きりたんぽなど食べてたのだが、TVでやっていたクイズ番組にて「二の舞を…」に続く語の二択として”演じる”・”踏む”のいずれが正しいか?という問いが放送されていた(放送中では”演じる”が正解とされていた)。ちょうど先日、正用誤用のいずれであるか議論になり、この手の話題を振ると非常に丁寧な解説をしてくれる大宰府の人が、講談社現代新書の『日本語誤用慣用小辞典』という本を引いて、”演じる”・”踏む”のいずれも正用であるという結論になったばかりだったこともあって、ちょっとタイムリー。
 語句の用法のように、流行りや変遷がそのまま定着することもあるグレイゾーンなものを二択の問いにしてしまうのは、なかなかに難しいものだ。同席していた日本語に堪能な中国人留学生の友人は、通じるなら何でも良いだろうと言っていて、言葉の使われ方というのは案外そういうものなのだろう。


10月08日(Sat)

 午後から外出。古本屋⇒駅裏。自宅PCのシステムを再構築するついでに、いい機会なんで安いのがあればCPU/MBを換えてしまおうと思い、駅裏に物色しに出かける。ツートップにて格安の自作セットを発見、パーツのまま持ち帰るなら即日卸してくれるということなんで即決。という訳で本日の散財リスト:

しめて26,800-。予算から7000円ほどの超過だが、まあよしとしよう。何せそこらのゲーム機並(という程までではないが)に安い。丸一式換えるのは4-5年ぶりなので、HDD以外は何をどう買い換えてもグレードアップになるし。

 自宅に戻ってから、手伝ってもらいながら配線やらの接続。特に静穏を考慮してない安物ケースでもある程度静穏設計になっている。4年前の頃は速いCPUならファンの音は我慢という感じだったので、HDDへの書き込み音が一番大きいくらいまで静穏化されたのは嬉しい。

 夜遅くまで掛かってOSまで入れたところでオシマイ。ドライバの干渉やらを計算しながら、各種ボードを挿す順番やインストール順を考えながらセットアップをしないで良い(MB付属のCD一枚でほぼ全てのドライバが片付いてしまう)のはとても楽だ。今まではUSB2.0どころかNICもPCIスロットをひとつ占領していて、セットアップが非常に面倒だったんで、それから開放されただけでもありがたいことだ。


10月07日(Fri)

 午後、研究室。
 先週末以来、グダグダな生活リズムになってて実によろしくない。いい加減あちこちの落書きどもをひとつに収拾付けるべくプロットを書き起こし中。specialist v.s. generalistという落しどころが、やや雲行きが怪しげになりつつあるんで、このあたり話を元の軌道に戻すという意味合いも兼ねる。

 午後過ぎ、輪読会(マ)。
 前半は清水君担当。Jeyasingh and Weider(2005), Eco.Lett.(8):1021-1028.。D.pulexについて、系統の違いによる発生の可塑性/生活史の違い(この研究では成長率)、および、フサカとの捕食―被食応答に、餌のリン顔料が影響することを実験的に示した研究。口頭で非常に丁寧に説明してくれたのだが、イマイチ情報を整理しきれなかった(Tableにあった交互作用間の比較を見よ、ということなのかもしれないが)。議論の場でも出ていたが、「結局のところ、系統間の違いが何に起因してるのか?」という部分は、いまのところ不明なので続きを待てという流れはちょっとねえ。
 僕は「見えないものは信じない」という、けみかるきゅー懐疑論者の振りをしてるので、毎度のことながらとりあえず実在を疑って実験デザインに難癖を付けることにしてるのだが、前半の飼育実験の比較は他の要因をそろえることで排除しているんで、今回は難癖がつけられない。後半は喰われ残り生残個体数で直接比較を行っていて良かった。
 しかし、占部さんの曰く「フサカのは3日くらいもつらしい」という、けみかるきゅー。いい加減、「捕食者のこの物質が被食者のこのレセプターで受け取られている」という生理レベルでの授受関係が一つくらい明示されてもよさそうなものだ。皮膚断片の可溶成分とか、そういうレベルまで特定している研究はあるし、応答の特異性に関する研究なんかもされているから実在はたぶんするんだろうけど、「この応答は水棲捕食者ー被食者において普遍にある」とされているのはどうも腑に落ちないというか気持ちの悪さが残る。

 後半は水野さん担当。Leibold(1997),Oecologia(110):132-142.。Tilman(1982)によるZNGIモデルによる湖の植物プランクトン機構ははたしてどのくらい妥当なのか?という疑問について、メタ解析から栄養塩をめぐる競争はあまり効いていないのかもしれないということを示した研究。時間の都合もあり、だいぶん駆け足な説明ではあったが、要点だけをかいつまむ形で逆にわかりやすかった。
 「平衡状態に達したら」TP-DINが負の傾きになるという前提と予測があるので、ロジック通りなら2種共存または排除の完了した湖では予測どおりの関係が検出できる、と推測できる。とすると、解析データとしては、湖ごとの多様性のパターンとTP-DINの傾きをリンクさせた結果があれば面白かったかと思う。

 めも:"The Ig Nobel Prize: 2005"
 今年は経済学の目覚まし時計がどこかに行く(鳴らない)のはなぜか?についての考察が面白かった。

 で、毎年恒例になりつつあるけど今年も日本人がいて、とうとうDr.中松が受賞。といっても、受賞理由は彼の珍妙な発明ネタの数々ではなくて、34年にわたり自分の食べた食事を撮影し自己の健康との関係について考察したものによる、栄養学賞。
 ほか、生物学では、かえるのにおいについて良いにおいから悪臭まで調べ上げた研究が受賞、ここにも日本人らしき研究者が名前を連ねている。


10月06日(Thu)

 訃報: HDD(はーどでぃすくどらいぶ=大容量ストレージ)05日、老衰のため自宅PC内にて死去、5歳(推定)。葬儀はされない(埋葬済)。先日のクラッシュにより倒れ、デバイスの認識がされたりされなかったりの小康状態が続いていたが未明に容態が急変、懸命な延命策の甲斐なく異音が止まずデバイスとして認識されなくなった。

 とかいう与太は兎も角…症状からすると、例によってアームかヘッドが疲労でダメになったっぽい。今回は自宅のHDDなんで、研究のデータが(ほとんど)失われなかったのは幸いなんだが、結局サルベージし損ねたここ数週間分(数G)のデータは痛いが、もはや笑うしかない。

 朝起き。正午過ぎ、研究室。
 本日はおしごとはお休み、なんだけど、上述のHDDが何とかならぬものかと思って機材の豊富なおしごと場に出向く。まあ、結局どうにもならなかったのだが。

 夕刻、輪読会。2時間ほど前から村田君が輪読会にむけてリハーサルを行っている。演技指導に山口さんを迎えて逐一指示を仰ぐという念の入った準備ぶりだったのだが、ちょっと方向性が違うような…。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 Elser et al.,(2000),Nature.なデータ(昨日は出典年がまちがってた。修正)の抽出作業やら論文を掘り返して読み直したりなど。午後、歯医者のため一旦外出。一時間ほどで戻ってきて続き。Figureに載っかってるデータから数字に起こすのは実に面倒だ。

 めも:勾玉シリーズ文庫化。
 [文庫にはなりそうも無いんで]とか書いたわずか10日後にはシリーズの文庫版が刊行され始めていたという何とも阿呆なオチ。アンテナ低すぎる。


10月05日(Wed)

 朝起き。午後、研究室。
 明け方までHDDデータ復旧作業続き。空きHDDにW2K入れて接続構成を変えたら、問題のHDDがSlaveとして認識されないんでやんの。Knoppixでは認識されるんだが、この違いはなんだ? 一部のセクタが物理的にやられてるんだろうか。

…で、寝過ごした。昼前に起きて、セミナーをすっぽかしたと勘違いして軽くパニックに陥る。幸運にも、本日は集中講義とのコリジョン回避のため振り替えだった。覚えていたから朝まで作業してたはずなんだが、いやはや。

 モデル:"The specialization v.s.(略)、続き。
 ようやく再開。幾つか(といってもMichaelis-MentenとType2-FRだけだが)generalizationに対するペナルティをかけてみる。最終的なアウトプットに対してtrade-offの感受性が高すぎて使い物にならないというか、trade-offのかけ方に対する依存性がやや強すぎる嫌いがあるのが困りもの。
 これはもう…アレだな。このままではグダグダな感じだし、一旦、恣意的な餌空間で与えてる餌条件は棚上げして、Elser et al.,(2000),Nature.なデータをぶち込んでみるか。

 もうひとつの改善案は、各餌への選択性をかっきり1/0で記述しないで、もう少しフレキシブルな(というか量的な)閾値モデルにしてみるという案。。こちらの方がgeneralistの投資コストを割と妥当な形で表現できる点では良いのだが、適応地形の谷をますます飛び越しにくくなりそうなデザインにもなっているという諸刃の剣。生物のボディプランに即したデザインになっている意味では割と良い(と、思う)アイデアだけど、安直に流行りに乗っかってるという感じもしてしまう。

v.s.河田戦に備えて、ここまでの経緯をまとめ中。半数体モデルの結果の方がシンプルで面白い内容なのだけど、既に現実性の点でツッコまれてるからな…。まあ、上述の結果を含めて、そこも困りものではあるんだが、新規性はともかく明確な背景と問題設定、要するにグローバルなテーマに対する示唆がクリアに定まってない方がよほど問題だ。あちこち(の紙)に断片的に書き散らかしたまままとめてないのが原因だが、一番の急務はこれだな。


10月04日(Tue)

 朝起き。午後、研究室。
 まだまだ復旧中というかデータ退避の手段を模索中。おかげで夜型な生活もいいところだ。大容量HDDが一台しかない状況では、コピー先の確保とかが案外なかなか厄介というか難航中。
 とりあえず現状でまるっきり仕事をしてくれないBart君に匙を投げて、いつものようにknoppix先生にお出まし願う。ところが、knoppix先生がmountしたローカルHDDに頑として書き込みを許可してくれないとか(rwでマウントは出来るんだけどchmodで+wを試みると拒絶される)、mount -t ntfsオプションがiocharset変数を認識してくれなくて、当然、日本語ファイルが悉く見えないとか、厄介なトラブルに悩まされているため、ローカルHDD間のコピーが出来ないでいる。
 よく考えたら、今まではシステムがクラッシュしたらとりあえずknoppixで上げるだけ上げて、データはsmb/ftpでリモートに退避させてたから、ローカルへの書き込み許可とかは気にしないで済んでたからなあ。

 正午ごろまで作業して、埒が明かんのでひとまず切り上げて研究室。空いてるHDDにシステム入れて、こっちから立ち上げてデータ吸い上げる方が早いかも。

 午後過ぎ、バイト。
 理学部/理学研究科が今期から採用した、WEB経由の履修登録システムの受付が本日から開始。来週の11日までなので来週のバイトにも掛かってしまう。
 学内からのアクセスしか許可してないので、まだ研究室配属されない2・3年生は当然端末室から履修登録するしかない。まあ、川内からも可能みたいだが、そのためだけにわざわざ山を降りるはずも無い。と云うわけで、履修システム特需に沸く端末室では、登録のための利用者(と、彼らによる質問)が殺到中。長いことバイトしてるが、これほど盛況な端末室はこれまで見たことが無い。臨時の補助バイトに加えて、事務からも職員数名が常時借り出されて対応に当たるなど、上へ下への大騒ぎである。利便性のためのシステムに利用者側も提供者側も振り回されているのを眺めると、滑稽を通り越して哀れですらある。というのは、他人事だから対岸からこんなことを言ってられる訳だが。

 事務方が楽になるので学生に負担を強いるという可能性は論外なので排除するとして、登録期間中だけ何度でも登録内容が変更できたら、それがどれだけ恩恵があるのか判然としない(セメスター期間中、常に履修の組み換えが可能と云うのなら、特に集中講義の多い院生にはきわめて便利と思うけど、これはまず無理だろう)。どっちかというと、やはり気になるのは、履修登録の最終確定に失敗すると単位が一切もらえない(確認と変更のための救済日は設けてあるが)というこのシステム、期末になってから問題が出なきゃ良いけどね。こうした心配自体は、どんなシステムでも新規に導入した際には付いてまわる類のものではあるのだろうし、既に散々議論されたに違いない。

 どうでもいいけど、個人情報から「手作業でも」出来てしまう非暗号化パスワード生成方式。全く同じかどうかはさておき、大昔にはパスワードを忘れたユーザのために算出用のスクリプトさえあった代物。誕生日さえ判ればアカウントを乗っ取れるというあまりの脆弱性に、情報処理学会だか情報処理教育の分科会だかでコテンパンに批判されたとかいう話なのに、いまだに健在なのね。

 論文直し:"Consumer-driven(略)、続き。
 肥大化してしまった生産性ー多様性の考察部分のシェイプアップ。今回は、前回のように即没で瞬殺ということにはならないと信じたい、ならないといいなあ。併せて要約も書きあげて夜過ぎにメールで提出。

 めも:"リーンの翼"
 近年稀に見る大ゴケを演じた種を尻目に、劇Zの1作目の興行収入で3部作全部の製作費用を稼ぎきって上層部を黙らせたという御大将の満を持した最新作。完全新作は髭以来と云うことで実に楽しみ。


10月03日(Mon)

 週末に自宅のPCがシステムクラッシュ。あれこれ同時並行でやりすぎて負荷をかけすぎたか? 復旧に悪戦苦闘するも、いまだ復旧ならず。スタンドアローンなマシンのデータリカバリは意外とやっかいだ。まさか研究室まで数十Gのデータを転送するのも面倒だしなあ(サーバの方が貧弱なのでそれ以前に持たないが)。
 ちなみに、先月のBartPEはこういう状況下での大活躍こそを期待してたんだけど、起動はするものの、エクスプローラを立ち上げるとフリーズ⇒再起動の強制コンボ。研究室に置きっぱなしのIDE⇒USB(2)変換コネクタでもうまいこと認識されず、悉くうまくいかない。まあ世のなか肝心なときこそこんなもんだ、マーフィー。

 午前中、研究室。
 夕刻過ぎ、ビール一杯(毎度のネタになりつつあるな)で牧野さんにお願いをする。ついでにアドバイスやら貰って、ありがたい。今週内を目処に手を打ちます。

 夕刻過ぎ、モデルセッションのご案内。五月? 返事は書いたけど詳細はまだ不明、とのことで。さてどうなりますやら。

 アレやれ⇔アレやって、のIN/OUTが嵩んで独楽鼠のような一日。先が見えないのに、もはや御破算にも出来ないスタックがバンバン追加されている…。

 午後過ぎ、セミナー(マ)。
 本日は芝草組、下山君と富樫君による研究レポート。実のところ二人ともデータ解析中という部分は多かったわけだが、いろんな話をいくらでも考えることが出来て、改めて、魅力的な良いフィールドだと思う。

 前半は下山君による報告、池塘群でのCeriodaphniaの個体数の決定要因を探るという内容。芝草というフィールド特性を考えて、最終的には中立/メタコミュニティモデル的なストーリーにもって行きたい風だったが、現時点でリン律速的な兆候があり、それで話が完結してしまいそうな印象も受けた。マジメに空間的なインタラクションを図ろうと思ったら、これはもう遺伝的な手法に行くしかないんじゃなかろうか、と思いつつ、やることは膨大ながら、結局、話をどう運びたいのかイマイチよく判らないのだった。
 培養実験の結果にあった、detrivoreなユスリカが再循環によってCeriodaphniaバイオマスをプロモーションするという実験結果は、それ単体でも種間関係の話として面白い。

 後半は富樫君による報告、池塘群間のユスリカの群集構造の決定要因は、ローカルの生物間相互作用や環境要因よりも、移動分散(というより産卵時の再分配)の確率過程によるものかもしれない、という内容。動物プランクトンのようにローカルでも増殖するタイプの生物でなく、一旦、陸に上がって交配ののち産卵場所として池塘群に卵を再度ばら撒くという生活史のをもつユスリカなので、彼の研究テーマでは、システム自体がHubbelなどの言うところの中立モデル的なストーリーに当てはめやすいといえる。

 終わってから富樫君と少し話をする。僕自身の作業はあんまりなくて、対立仮説的な視点としてのモデル提供くらいになりそうだ。僕としては「やっても損にはならない」という感じだが、富樫君自身は割と中立的なプロセスを主軸にもって行きたそうな感じ。今のところ幾つか検定をしてみても環境要因などの他の説明変数との相関が出てないから、気持ちはわからなくもない。いずれにせよ、10月中にはデータがこっちに回ってくる、のかな? 忙しいな。

 もっとも問題点はあって、占部さんからの指摘にもあったように、現状の手持ちのデータセットでは、中立過程の帰無モデルによる群集の分布の説明が棄却された場合に、それが「中立過程では説明できない(他に重要な要因が存在する)」のか「データが十分ないため中立モデルに当てはまらない」のか判断できないという問題が残ってしまう。
 つまり、「帰無モデルを棄却できない」という消極的な形式でしか、中立プロセスを説明要因として支持できないうえ、棄却出来てしまうと(他に説明要因を検出できていないので)話が行き場を失うわけで…。

 論文直し:"Consumer-driven(略)、続き。
 まだまだ生産性―多様性考察が続く。とはいえ大まかには書き終えたので、あとはもう一回段落を通しての構成の見直しを図って、と。これが済んだら要約を書いて再提出。


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